ショウ・スズキ フロムオキナワ

よろしくお願いします

ひらがなの女の子

5歳の女の子がひらがなの練習をしていた。

 

楽しそうに書いているので

 

「好きなんだね〜」

 

と言うと

 

「うん」

 

と答える。

 

友達の名前を書き並べていたので、

僕の名前も書いてくれないかと頼んだ。

 

僕は名前には「う」が付くが

「う」ってどんな字だっけ?

とその子は言う。

 

周りの子が「うどん」の「う」だよ、

とか

「うみ」の「う」だよ、とかアドバイスする。

 

でも、覚えたて、あるいは覚え途中の彼女のデータからは「う」は出てこなかった。

 

周りの子がしつこく、「う」の付く言葉を言うと、ある「う」の付く言葉(忘れたが)の時に

 

「ああ、その「う」か、その「う」なら書けるよ」

 

と言って「う」を書き始めた。

 

隣の子が「ああ、その「う」かって、ほかにどんな「う」があるっていうのよ?」

 

ってツッこんでいて、それがおかしかった。

 

 

その日の給食はミートスパゲティだった。

人気のメニューでみんなよく食べる。

 

僕の近くにいたひらがなの女の子が

食べ終わりそうな自分のスパゲティのお皿を見ながら

 

「ねぇ見て見て、ここが「り」に見えるよ〜」

 

と言う。

 

見ると確かに、スパゲティの麺が「り」の文字

の形に並んでいる。

 

ひらがな脳になっているんだね〜(笑)

 

ひらがなを書いたり覚えたりするのに夢中な彼女。

心を和ませてくれたことに対して、ありがとうを言いたい。